この記事はレースデザイン解説の一部です。最初の記事からご覧になりたい方は下のリンクをご利用ください。
ドイリー全体の構成を考える
オリジナルデザインの構想が固まってきたら、全体を通しての作り方を考えてみましょう。大きく分けて3種類あります。
- 1段目から1段ずつ外側を追加していく
- 主役のモチーフを中心に上下の段を付け足す
- 原案全体をそのままレースにする
1: 1段ずつ作る
内側から外側に向かって1段ずつ追加していく、オーソドックスな作り方です。
初めてデザインするときは、この方法がやりやすいと思います。私もいつもこの方法でデザインしていて、何か特別に思いついたときだけ2番目3番目の方法を使っています。
- デザインの原案がなくても始められる
- 無心に編み続けるデザインを作りやすい
- いつでも最終段にできる
2:主役のモチーフを中心に上下の段を付け足す
まずメインになるモチーフを作ってから周囲の段を作る方法です。私の作ったドイリーだとこんな感じ。
主役のモチーフを理想の形にすることと、下の段にうまくつなげることを同時に考えるのは難しい作業です。だったら先に作りたいものを作ってしまおう、という考え方です。
タティングレースでは外側の段を編んだ後に内側の段を編むのが難しいので、実際は下記のようにしていました。
- 主役のモチーフを作る
- 主役のモチーフを円形に並べて、ピコつなぎ位置を決め、1段分の編み図を決める
- レースガイドシートがあると便利です
- 1段目から順に、メインの段までの隙間を埋めるように作る
- (目数の確認も兼ねてメインの段を編み直す、省略しても良い)
- メインの段より外側を作る
凝ったデザインを作りたいときにオススメです。
3:原案全体をそのままレースにする
例えば「有名なステンドグラスをタティングレースにする」のように、作りたい原案がある場合はどうでしょうか。
まずは、大体でいいので完成品の大きさを決めます。全部で何段くらいにするかを考えてみる、ということです。
3段くらいのミニドイリーにすることもできますし、5段でもいいでしょう。モチーフつなぎ的な工夫をすれば10段くらいの大きなドイリーにすることもできそうです。原案を完全に再現したいなら多めの段数で、誰かに向けた教材なら原案をある程度省略する前提で相手のレベルに合わせた段数にすると良いと思います。
例えば3段だと、こんな感じに。原案のステンドグラスはパーツが多いので、段数を少なくしようとすると大幅な省略が必要になってきます。5段以上使えれば、再現しやすいと思います。