[染色] 染 – marche 楽しいよ!!

夏の暑さがようやく和らいできましたね。涼しくなったら年に1回の「なんだかやる気MAX月間」がやってきました😆 ここ何年か、何かしらの企画を立ち上げて長続きせず立ち消えしておりますが〜今年は染色にチャレンジ!
この記事めっちゃ長いです。時間のある時に読んでくださいね。

今年2024年発売、オリムパス製絲の「染-marche」を購入しましたよ。

写真のパウチ50は半分くらい使ったあとの状態です。新品はもっとたっぷり入ってます。

オリムパス製絲さんの商品紹介ページは下記リンクからご覧ください。日本語ページしか無いようなので、他言語で読むにはブラウザの翻訳機能などをご利用ください。

発色が良い!

使ってみて嬉しかったのが、とっても発色が良い。鮮やかに染まってくれます。

私、十年ほど前に染色を試した時期があったんですよ。でも思ったような色に染められず、2~3回試して途中でやめちゃったんですよね。当時使ったのは粉の染料と塩を熱湯で溶解するタイプだったと思うんですが、手間の割に思い通りに行かなくて。

探したら当時の画像がありました。2014年7月。煤けた色にしか染められなかった😔 試行回数が足りなかったのもありそうですが。

染-marcheは手軽に染色できるので超オススメです。だってこんなに色がキレイだもの!

私は彩度の高い鮮やかな色が大好きなので、今回は染めにどハマりしそうです。

作業風景 こんな感じで染めてました

レース糸の準備

まずは糸を上の写真のような「カセ」の状態にします。レース糸を決った長さにまとめて束にしますよ。かせくり機みたいな本格的な装置もありますが、私は糸を本に巻いて用意しました。カセはそのままだとバラバラになっちゃうので、数ヶ所を別糸で結んでおきます。

カセにしたレース糸は、染色まで水に浸けておきます。

コルドネスペシャルやマーサクロッシェは直ぐに水を吸うけど、エミーグランデは要注意!フワッフワの糸だからか糸の間に空気をたくさん含んでいて、なかなか沈みません。長めに浸水したり、軽く押したりして空気抜きしたほうが染めムラが予防できそうです。

染色液を準備する

染-marcheは、染色液を好みの濃度に水で希釈して、レース糸が染まる濃さを調節します。

例えば、下の写真で隣り合っている糸は同じ染色液の濃度差をつけて染め分けたものです。濃いほうが50%希釈、薄い方は20%希釈です。特に濃く染めたいときは原液100%で染色しても問題ないようです。

チラシ紙に巻いてるあたり雑だよね〜雰囲気壊してごめんね

オリムパスさんでは、希釈用の道具としてイージーライナーという製品を販売しています。容器には計量用の目盛があり、フタにはマーカーペンのペン先みたいな部品が付いていて、染色液を調製後そのまま段染めに使用できます。詳しくはメーカーのサイトをご覧ください。

でも15色セットを買っちゃったからさ、、濃度違いも含めて一度に10種くらい染めたくて、、イージーライナーは経済的に難しいです、、

あとイージーライナーはパーツが多くて洗浄がムズイです。機能上必要なんだろうけど内蓋が硬くて外しにくい。フィルター部分に結構色残りするのも気になります

ということで希釈用には遠心チューブというのを買いました。下の写真の青いキャップの容器です。しっかり密閉されるし水洗いでキレイになったので繰り返し使えそうです。他に液量を測るために使い捨てのピペットも買いました、注射器の目盛り付きシリンジとかでも良さそうです。これらの道具は日本ならamazonなどで売ってます。チューブ立てや手袋も含めてリストを作ったのでご参考まで。似たようなものを100均で買っても全然OKです。

染色グッズはこちら(日本国内向け) https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/31G6MSUTYN05V?ref_=wl_share

大学とかでバイオ系の研究員をしてたので、知ってる道具で揃えましたw 懐かしい。

糸に染料を浸して20分待つ

いよいよ染色!食品用ラップの上に浸水済みのレース糸を置いて、上から染色液を掛けます。さらに上からラップでフタをして、しっかり染まるまで20分待ちます。

下の写真は左が原液の20%希釈。右が50%希釈です。オレンジ以外はほとんど黒に見えますね。

でも出来上がりはこのように、染色液よりだいぶ薄い色になります。試作が大事ですね。

このラップを使った染め方は、実際にやってみるとちょっと染めムラができちゃいました。ラップの具合とか染色液の濃さとかも影響しそうですが、なかなか難しい。

それで、単色染めのときはジップロックに入れて染める方法に変えてみました。こっちはなかなかムラなく染まる。染色途中に軽く揉んだりして液を循環できるのが良いみたい。汚れも抑えられ場所も取らないです。段染めの場合は使えませんが、単色の場合はご一考ください。

あと、本筋には関係ないけど
染色が終わって染料を水で洗い流す作業が楽しかったです。染めてる間は色が濃すぎて何が何だかわからないまま作業してますが、洗うとようやく欲しい色が見える。私は洗面器に水を張ってレース糸を洗っているんですが、青や紫色で染めると1洗目はまず青色が出てきて、2洗目は洗い液が赤味がかって来るんですよ。伝わるかな。この染料シリーズは、というかどこの会社もそうなんだろうけど、数色の染料を混ぜたものを青色とか紫色とかの名前をつけて売っているようです。色ごとに水に溶け出す速度が違っているみたいで、1つの染色液で染めてるのに洗うごとに出てくる色が変わるんですよね。それが何とも面白くて、皆さんにも体験してほしいな〜と思いました。

60分間、色止めします(写真ないです)

染-marcheでは、染色後に色止め作業が必要です。

染色したレース糸を水道水でよく洗ったら、別売りの「カラーフィット」の40倍希釈液に60分間浸します。けっこう色が滲み出てきますが説明書を読む限りは問題ないようです。段染めの場合は色止めの最中でも、違う色で染まった箇所が密着すると色移りしました(2敗)。その場合は大きな容器や、広めで底の浅いの容器などを使うといいかもしれません。

その後、色止め済みの糸を水道水でしっかり洗い、乾燥させたら完成です。

15色セットを黒以外全部染めたらこんな感じでした

自分で染めてみて、おおよそ製品見本と同じ感じになりました。写真は表示する画面によって色味が変わることがあるので、参考程度にご覧ください。現実の色に忠実にすると色味の区別が付きにくかったので、ちょっとだけ彩度高めに補正してます。

今回は染色液の希釈率を50%と20%でそれぞれ全色染めてみましたが、写真で示したのは50%染色の一覧です。色の濃さは50%と20%で確かに違うのですが、まあそうなるよね、と言う感じで表にして見せる程の発見はなかったです。思った通りの色にするには原液100%染めや5%希釈なども試さないとダメそう。

染色条件
  • 糸: コットン 3.5 g ± 0.5 g (Anchor トルコ販売版 size70 col. BEYAZ (926相当))
  • 染色液: 50%希釈、総液量 10mL
  • 染色時間: 20分~30分程度
  • 色止め時間: 60~70分程度

混色もやってみました

染色は自分好みの色糸が作れるのが最大のメリットです。

染-marcheでは色番号1から3までが色の3原色で言うマゼンダ、シアン、イエローに近い色になっています。これと黒、希釈度合いの調整を組み合わせることで沢山の色を表現できます。

3色とも非常に澄んだ色なので調色しやすいと思います。絵の具などでありがちな、全色見ても金赤(黄色の混じった赤)しかなくてキレイな紫が出ない〜とか、ロイヤルブルー(ちょっと赤の入った青)しかなくて好きな青緑ができない〜みたいな悩みはなさそうです。

下の写真は混色お試しサンプルです。ちょっとだけ彩度高めに補正してます。

染色条件(チャートの右端と左端は単色染め結果のコピペです)
  • 糸: コットン 3.0 g ± 0.5 g (DMC Cordonnet special size 60 BLANC)
  • 染色液: 50%希釈、総液量 8mL
    1:1 染色 = 染料2色、各2mL
    1:3 染色 = 染料2色、1色目 3mL、2色目 1mL
  • 染色時間: 20分~30分程度
  • 色止め時間: 60~70分程度

発色がとても綺麗ですね。青緑がだいぶお気に入りの色味に出来たので、毎日のように染まった糸を眺めてますw

1:3混合でも単色ととだいぶ色味が違うので、なだらかに色を変えるには1:10混合とかも試さないとダメかな。混合比率を変えた糸を複数染めて、作品を編む時に1段ごとに色を変えてグラデーションを作るのも楽しそうです。

あと、3原色各色の濃さ?強さ?が同じではなく、体感的には チェリーレッド > アクアブルー > ムーンイエロー の序列があると思いました。同じ量を混ぜるとチェリーレッドが勝ってしまうので、他の色を多めに使うなどして試作するといいです。

レース糸は市場が限られているせいか色数が豊富とは言い難く、刺繍糸のように好きな色を選び放題というのは無理な話。Lizbeth を使えばそのあたりは改善するしとてもありがたいのですが、それでもコレとコレの中間の色が欲しい、みたいなことってありますよね。自分で染色するのも併用すれば、色の悩みはだいぶ減るんじゃないかなと思います。mix糸も作ればもっと自由な表現ができるかも。

どれを買ったらいいですか?

染-marcheは下記のような規格が販売されています。

  • スターターキット(液体染料のうち3原色5mL 10mLずつ、色止め液、刺し子向きの糸3カセ、イージーライナー3本、説明書)
  • スターターキットプラス(液体染料15色 5mL 10mLずつ、色止め液、刺し子向きの糸15カセ、イージーライナー3本、説明書)
  • ベーシックカラーセット(液体染料15色 50mLずつ、色止め液、説明書)
  • 染色液単品 50mLパウチ
  • 染色液単品 200mLボトル

私は今までにスターターキット3色5mL入りとベーシックカラーセット(15色50mLずつ)を買っています。

1回だけ試したいとか、イージーライナーが気になるならスターターキット(3色5mL 10mLずつ)が良いかも。私も最初はこれを買いました。でも楽しめる内容は染-marche全体の5%くらいだと思います。

混色をガッツリ楽しむなら50mLパウチの3原色(チェリーレッド、アクアブルー、ムーンイエロー)と色止め液を買いましょう。イージーライナーが不要なら、この4点買いのほうがお安いです。タティングには刺し子の糸は不向きですしね。スターターキットは染色液が各色5mL 10mLずつなので、まったく液量が足りません。他の色は気になるものだけとか、全色入りのスターターキットプラスを買ってみて気に入ったものを買い足すのでもいいと思います。

2024年9月16日23時
キットに含まれる染料の液量が間違っており、5mLではなく10mLでした。大変失礼しました。お詫びいたします。

長くなっちゃった

まだ書きたい染色ネタがあるのに、長い記事になってしまった。今回はこの辺で終わりにします。オリムパス社員か?というくらいに、染-marche 激推し記事でしたねw

でね、まだあるんですよ、ネタが。

まず段染め糸を試したいです。ラップ上でやるとレース糸とラップの接点で染色液が思ったより移動してしまうし、かといって染色液を減らすと色が薄くなるしムラができるので、それを解消する方法を考えたい。

それとレース糸にスペックル入りの染色をしたくて色々とお試しを始めています。スペックルというのは、手染めの毛糸などでたまに見かける、小さい点状の染めのことです。ちょっと手持ちの画像がないので検索してみてください。とても可愛いんですよ。

このスペックルは粉状の染料をそのまま毛糸の上に散らして染める、という方法で作ります。これが結構難しくて。下の写真は試作ですが、本来ならもう少し小粒の染色像にできるはず(写真の糸はエミーグランデ)。

うまくいったら記事にしますね。

記事書いてたら夜中になっちゃった。公開するけど後で誤字訂正など、微調整をするかもしれません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!